取引ルールを守ることを徹底する

取引ルールを守らなければならないという言葉はどのようなトレード本にも必ず書いてある言葉です。私も失敗するときは必ずと言っていいほど取引ルールを破っていた時です。気づかずに破っていたこともありますが、気づいているにもかかわらず気持ちを抑えきれなくて破ってしまうこともいまだにあります。今回の記事は自分への戒めも含めてトレードルールについて書こうと思います。

トレードビギナーが陥る2つの問題

まずトレードビギナーが陥る問題が2つあります。ひとつは取引ルールが作れないこと。もうひとつは取引ルールとは何か?を理解していないこと。

私見ですが投資関連本や動画には必ずと言っていいほど「自分の取引ルールを守りましょう」ということが言及されています。一方で取引ルールに関して詳しく書いた本はなかなか見つかりません。さらに取引ルールの作り方もよくわかりません。

この問題を解決するためにTradeBeginners.comでは取引ルールを3つのカテゴリに分解して説明します。1:取引方針、2:取引ルール、3:売買ルール、の3つです。なお取引方針という言葉は”方針”より”心得”のようなものかもしれませんがルールを構築する上で一番重要な基礎部分になるのであえて”方針”という言葉を使います。

この記事の目的

この記事は取引ルールの作り方がわからない、もしくは取引ルール自体がよくわかってないビギナーの方の助けになることが目的です。ここではルールを細分化して書いていきますが決してこの通りにする必要はありません。あくまでルール作りのためのガイドラインとして考えてください。

またすでに取引ルールをお持ちのビギナーさんにも「あ、この視点いいかも」という気づきになれば幸いです。

取引ルールをカテゴライズして考える

では早速、取引ルールを方針、取引ルール、売買ルールに3分割してみます。

取引方針とは

取引方針は自分が取引する上での大方針みたいなものです。例えば「取り返そうと思って相場に入らない」「連敗が続いたらしばらく相場から離れる」「大きなポジションを持たない」などです。心得やメンタルコントロール的な話にも見えそうです。ルールは大雑把であえて数字にせず曖昧さが残っています。 そしてこの方針に反する取引ルールや売買ルールを作ってはいけません。最も重要なあなた自身の法律と思ってください。

取引ルールとは

取引ルールは方針に基づいて作られるルールで、レバレッジの上限、一回にエントリーするロットの上限、合計ポジションの上限、使うチャートの時間足、エントリーの回数などを決めるルールです。これはすべて数値化できるため曖昧さがなくなります

売買ルールとは

売買ルールは取引ルールの中に含まれるものですがルールが細かくなるためあえて別カテゴリとしてわけておきます。これはチャートの形、インジケーターの値や形がどのようになったらエントリーし、どのようになったら利益確定もしくは損切りをするかという具体的かつ曖昧さがない売買ルールのことです。

取引方針を具現化したのが取引ルール

取引方針に基づいて取引ルールが存在し、取引ルールの中に売買ルールがあると考えます。

取引ルールを作るときはそれが方針に沿っているかを常に考えなければなりません。たとえばエントリーするロット数の上限を決める時は「大きなポジションを持たない」という方針に沿って決めなければなりません。そして一度決めたらルールを変更するまでは守らなければなりません。取引ルールは取引方針を具現化するツールだと思ってください。

なぜ取引ルールが必要なのか?

取引ルールがある方が気分に左右されずに取引ができます。ただし慣れてくれば、ですが。淡々とエントリー、利確、損切りを進めていくことで常に冷静な頭で取引できるように心がけることができます。

また取引ルールがあれば無駄なエントリーを防ぐこともできます。 市場に向き合っているとどうしてもニュースや雰囲気に流されそうになります。そこに取引ルールがあると大きなニュースが飛び込んできても冷静にチャートを見て冷静に相場に向き合おうというワンクッションを持つことができます。

さらに待つことを覚えることができるようになります。自分の決めた売買ルールに基づいた売買サインが出てないうちはエントリーしない、という癖がつくようになるからです。(とは言ってもたまに流されてしまう私ですが・・・)

ただルールに慣れるまでは大変で、多くの人は破ってしまうと思います。うまく機能しているのかどうかという検証にも慣れてないと思います。ですので自分の取引ルールがある程度固まるまでは大きなリスクを決して取らず小遣い程度と思える少ない金額で取引しましょう。

では早速例を見ていきましょう。

取引方針の例

まずは取引方針です。これらは実際の私の方針から抜粋したものです。

  1. リスク管理に最大限の注意を払う
  2. わからない相場には入らない
  3. 得意な相場ではリスクを取る
  4. ニュースや雰囲気でエントリーはしない(常に取引ルールに従う)
  5. 損切りは早めに実施(早めの損切は勝ちと思え)
  6. 間違ったと思ったらすぐ決済(スピード損切りは相場への入場料)
  7. 利益はできるだけ伸ばす
  8. 大きなポジションを持たない
  9. 連敗が続いたら相場から離れる
  10. 大勝した後は少し休む
  11. 取り返そうと思わない
  12. 平常の心理状態で相場に入る(お酒飲んだらトレードしない、とか)

いかがでしょうか?メンタルな部分が大きく左右することばかりになっていて数字で表現できるものはなく曖昧さが残っています。しかしどれも私にとっては重要な基本方針です。

一つずつ詳しく解説したいところですがそれはまた別の記事で書くとして次に進みます。

取引ルールの例

取引方針が大雑把であるのに対して取引ルールは少し細かくなります。できるだけ曖昧さが残らないように詰めていきます。

以下は事例です。ちなみにこれらは私のルールとは異なります。わかりやすくするために簡単な例を作っています。

  • レバレッジ
    • 実レバレッジは10倍以内を厳守 (※海外FXと国内FXでは契約レバレッジが大きく異なるので実レバレッジで自己管理することが大変重要)
  • リスクリワード
    • 想定リスクリワード1:2 以下では売買サインが出てもエントリーしない
  • 取引銘柄
    • 日経先物のみ
  • ポジション数
    • 1回のエントリー単位は1ロット
    • 合計3ロットまでしかエントリーしない
  • チャート
    • 1時間足より短い時間足をエントリーの根拠に使わない
    • 月足、週足、日足、4時間足、1時間足のみ使う
  • エントリールール
    • 売買サインでエントリー → 売買ルールへ
    • 売買サインは確定するまで待つ
    • エントリーは最高3回までとする
  • 利確ルール
    • 売買サインで利確 → 売買ルールへ
    • 分割利益確定する時は3回まで
  • 損切ルール
    • ロスカットはエントリー時に設定する  → 売買ルールへ
    • 設定するロスカットは戦略のシナリオが崩れるポイント
    • ロスカットポイントを待たずして損切りするのはOK
    • ロスカットポイントを損が増える方向にシフトするのはNG

最初は面倒くさいと思うかもしれません。しかし意識していなかったけどすでに確立していた、というルールもあると思います。そういうポイントも含めてルールを書き出してみることは客観視できるという点でもお勧めです。

売買ルールの例

次は取引ルールの中に含まれていた売買ルールの事例です。売買ルールはエントリーや利確をどのように行うかを決めたものです。雰囲気やニュースでエントリーすることを避けることができます。また売買サインが出るまで待つことが重要であることも体得できます。

早速エントリールールを作ってみます。ビギナーさんも将来はいくつかのエントリールールを持つことになると思うのですが、ここではひとつだけ簡単なルールを事例として作り、ルール作成の理解を深めることを優先します。

エントリールール

  • 買いエントリーの場合:MACDのゴールデンクロス
  • 売りエントリーの場合:MACDのデッドクロス
  • 売買サインは確定を待つ

利確ルール

  • 買いエントリーの場合:MACDがひとつ前のMACDより低くなった時
  • 売りエントリーの場合:MACDがひとつ前のMACDより高くなった時
  • 売買サインは確定を待つ

損切ルール

  • 買いエントリーの損切ポイント:過去2本分のローソク足範囲の安値
  • 売りエントリーの損切ポイント:過去2本分のローソク足範囲の高値
  • エントリー時に必ずセットしておく

売買事例1

実際のチャートで見てみましょう。これは日経平均の日足チャートです。

取引ルール例

上の売買ルールの事例に従うと、赤丸●でデッドクロスを確認し、赤⇒で売りエントリーすることになります。赤丸●でエントリーしないのは売買サイン(ここではデッドクロス)が確定してからエントリーするとルールに書いたからです。デッドクロスが確定するのは次のローソク足が出現した時になりますので、赤⇒でエントリーすることになります。エントリーは21,837円です。

そしてエントリーする前にストップロスも入力しておきます。ルールでは ”エントリーするローソク足の2本分さかのぼったローソク足の中の高値” としていますので「Loss Cut Line」と書かれているところになります。22,177円ですね。エントリーが21,837円ですので、しょっているリスクは340pips(1ロットなら340円)ということになります。想定リスクリワード1:2以上ということですので約700pips以上を見込んでのエントリーということになります。

次にピンクの●の時点のMACDがひとつ前のMACDより高くなったことを確認できました。ですので次のローソク足の開始価格、ピンクの⇒で利確します。

売りエントリー:21,837円
利益確定:21,734円
利益:104pip となります。1ロットのエントリーであれば104円の利益、100ロットのエントリーであれば10,400円の利益が出たことになります。

さて、いかがでしょうか?「え!?このチャートだったらもっと稼げるところたくさんあるやん!」と思った方も多いでしょう。でもこれが”自分が決めたルール”だとしたらこれを守らなければなりません。ここではあまり稼げなかったかもしれませんが他の範囲のチャートではうまく稼げてるかもしれませんよ。

もうひとつ事例を見てみましょう。

売買事例2

先ほどのチャートのピンクの●のすぐ近くに今度は買いのサインが出ていました。見てみましょう。

先ほどの取引例は赤枠で囲っていましたが、今度は青い枠の方をご覧ください。

青い●でゴールデンクロスを確認。

次のローソク足が出現してゴールデンクロスは確定するので青い⇒で買いエントリー。21,994円。

その後、右側に出てきたピンクの●の部分でMACDが前のMACDより下がったのを確認できます。

なので次のピンクの⇒のローソク足の開始価格で利益確定。22,726円。

22,726 – 21,994 = 732 pips (1ロットなら732円、100ロットなら73,200円の利益)。

ルールに従ったロスカットラインは21,674円だったのでリスクは320pips。

いかがでしょうか?こちらはまずまずの結果になりましたね。

しかしお気づきの通り利益確定した後も価格は上昇を続けています。例1も例2もルールに改善の余地がありそうです。

取引ルールは見直して改善する

ということで、ルールを見直してみましょう。

今回の場合はエントリーとロスカットよりも利益確定のルールを見直した方がよさそうです。

例えば、利益確定のルールを以下のように変えてみます。

売りエントリーの場合は陽線が二回連続出現したら利益確定
買いエントリーの場合は陰線が二回連続出現したら利益確定

すると以下のような結果に変わりました。

売りエントリーも買いエントリーも、それぞれピンクの●がサインの確認ポイントで、利益確定をするのがピンクの矢印⇒になります。

利益幅は以下のように改善しました。

売りエントリー:104 pips –> 375 pips
買いエントリー:732 pips –> 1,379 pips

取引ルールは見直して改善することで精度があがります。

またこういう相場の時はこのルール、こういう時はあのルール、のようにいくつかのパターンもできるかもしれませんし、エントリーや利確のルールを一つの条件ではなくいくつかの条件を組合せて使うことも考えられます。

今回の場合は過去のチャートを抜粋して、それに合うルールを付けました。なので見事に改善されたように見えてますが、このルールがよいと言っているわけではありません。あくまでルールは改善していくとより効果があります、という話です。

売買ルール作成には過去のチャートを使用する

取引ルールの中でも売買ルールを作るためには過去のチャートを使ってシミュレーションします。やみくもに取引してもマイナスがかさむばかりです。

上記の例はまさに過去チャートをじっくり検証して説明に合うようにルールを作ったわけですが、この2つの事例が使えないわけではありません。他の条件と組み合わせたりアレンジすれば使えそうです。

このようにまず過去にさかのぼりある一定の範囲のチャートで機能している売買ルールを見つけ出し、ほかの範囲でも有効か試してみる、有効でなければ改善したり組み合わせたりしてルールの精度を上げていく、というのは最初に売買ルールを構築する上では有効だと思います。

例えばグランビルの法則で売買してみようと思ったとします。その時は実際のチャートで過去にさかのぼりグランビルの法則を使ってエントリー、クローズしたシミュレーションをします。かなりの数の過去検証ができるので、自分に合った手法かどうかや、使う時間足や移動平均線の期間などを事前にチェックできます。

トレードに聖杯はない

こんな感じでトレードルールを構築する時に陥りやすいのが完全に勝てる方法、いわゆる聖杯を探しに行くという行為です。

はっきり言いますがそんなものはありません。どんなに素晴らしいルールでも100%勝てる法則はないのです。

また私のルールを誰かに教えたとしても同じ勝率にはなりませんし、たとえ同じ勝率になっても同じ損益にはなりません。これは人によってそのルールの使い方が若干異なるからです。

インジケーターは少ない方がいい

またインジケーターに頼るがあまり、多くのインジケーターを試してみる行為をするのもよくありがちな話です。私もそうでした(;’∀’)

しかし結果的には私が今使っているのはMA、MACD、BBだけになりました。シンプルな方がチャートも見やすくなりますし頭もすっきりします。

多くのインジケーターを試すのもいいですが、一つに絞ってその一つを徹底的に研究して使いこなす方が近道かもしれません。何事も器用貧乏にならないようにということかもしれません。

失敗ノートをつけよう

ルールを改善するためにもうひとついい方法があります。

それは失敗ノートをつけることです。

失敗トレードが発生したらその取引内容をメモしておきましょう。一番大事なのは、なぜ、どのルールでエントリーやクローズしたのか?ってことです。中にはルールを破っていたことも多くあるでしょう。それも書いておきます。

そして、失敗取引の理由として一番多いものを以後の取引で注意して避けていくようにします。

これ、結構効果あります。私の場合はほとんどがルールを破った時が失敗エントリー。わかりやすい事例でいうと、、、恥ずかしいのであまり書きたくないですけど、お酒を飲んで帰ってきたから相場に入ってはいけないルールなのにチャートを見たら勝てるような気がして深く考えずに雰囲気でエントリーして大失敗とか。。。しかも気が大きくなっててロット数を増やしてたとか。。。

こんなレベルの低い話ではなく(笑)、見直すことで売買ルールやリスク管理ルールの改善ができるということが失敗ノートの利点です。この検証を実施するためには自分の決めたルールを絶対に守らなければならない、ということなのです。

売買ルールが機能しなくなったら

相場環境の変化に注目する

今まで機能していた売買ルールでも機能しなくなる時があります。それは相場環境の変化によるものが大きいでしょう。そんな時は少し休んで月足、週足など長い時間足を見て相場環境が変化していないか、もしくはファンダメンタルの要因がないかなど環境のチェックをしましょう。

売買ルールの変更に躊躇しない

自分なりの環境分析ができたらそれに合わせた売買ルールに変更してみましょう。この場合も事前にシミュレーションが必要です。

また失敗ノートを分析して弱点を見つけたらそれをルール化しましょう。従来のルールを変更することに躊躇してはいけません。


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