MACDの売買サイン:ダイバージェンス/リバーサル

2020-02-18

以前の記事「MACDの基礎知識と使い方」でMACDの売買サインについて簡単に説明しましたが、今回はその中でも最も頼りにされているであろうダイバージェンスについて説明したいと思います。おさらいの意味でクロスオーバーとゼロラインにも触れていきます。

 クロスオーバー

売りサイン:MACDがシグナルをに抜けたとき(デッドクロス)
買いサイン:MACDがシグナルをに抜けたとき(ゴールデンクロス)

  • 売りの場合、MACD、シグナルともに直前の値より低くなっている場合に信頼度が増す(買いはその逆)
  • 高い値からもしくは低い値からの出現がより信頼度が上がる
  • わかりやすく使いやすいがタイミングをしっかりルール化しておくことが大事(ローソク足が確定してからエントリーするか確定しそうという予測でエントリーするかなど)

下のチャートでは3か所のクロスオーバーが確認できます

ゼロラインクロス

売りサイン:MACDがゼロラインをに抜けたとき
買いサイン:MACDがゼロラインをに抜けたとき

  • クロスオーバーより出現が遅くなるケースが多いため追加の売買タイミングとして使うことが多い
  • ゼロライン近辺で跳ね返されることがよくあるので注意が必要
  • ゼロラインから離れるほどトレンドが強いと認識する
  • 離れすぎている場合はいずれ戻ってくると考える

上のチャートに赤丸(Buy)水色丸(Sell)で追記しました。

ダイバージェンス

売り転換示唆弱気のダイバージェンス
  ■価格が高値を切り上げているにもかかわらず、MACDが高値を切り下げている
買い転換示唆強気のダイバージェンス
  ■価格が安値を切り下げているにもかかわらず、MACDが安値を切り上げている

  • クロスオーバーよりも早くサインが出る、つまりトレンドが弱まっていることを示唆してくれる
  • エントリーなら逆張りで利用され、決済なら順張りで利用される
  • MACDをさほど信用してないというトレーダーもMACDダイバージェンスは見ていることが多い
  • 他のオシレーターでもダイバージェンスは存在するが個人的にはMACDの信頼度の方が高いと思う

リバーサル(ヒドゥン・ダイバージェンス)

リバーサルとはMACDではヒドゥン・ダイバージェンスと呼ばれているのが一般的ですがここではオシレーター系で一般的に使われるリバーサルと呼びます。こっちの方が呼びやすいため。

リバーサルはダイバージェンスの逆と覚えるのがいいと思います。

下降トレンド継続示唆弱気のリバーサル
  ■価格が高値を切り下げていて、MACDが高値を切り上げている
上昇トレンド継続示唆強気のリバーサル
  ■価格が安値を切り上げていて、MACDが安値を切り下げている

  • いずれもトレンド継続示唆のサイン
  • 弱気のリバーサルは戻り売り、強気のリバーサルは押し目買いでつかう
  • リバーサルでエントリーしてダイバージェンスで利益確定する、のように使うと効果的

今回はダイバージェンスとリバーサルの違いがわかりやすくなるように実際のチャートではなく以下のような図で解説します。大きな違いはトレンド転換の示唆かトレンド継続の示唆か、になります。

ダイバージェンス:トレンド転換 ⇔ リバーサル:トレンド継続
弱気:トレンドラインは高値を結ぶ ⇔ 強気:トレンドラインは安値を結ぶ

最初はトレンドラインのどこを結ぶかを勘違いしやすいので上のように覚えるといいでしょう。

期間の長いチャートで使用する

月足、週足、日足、4時間足、1時間足のようにチャートの期間が短くなればなるほど信頼度は下がります。経験則からは1時間足以上で使わないとダマシが多くなります。1時間足でも微妙かな?って時もあります。

1分足、5分足とかでは使えないと思っていいでしょう。また日足、週足ではかなり信頼度が高くなるので日中お仕事をされている兼業トレーダーの方は日足中心で考えると効果があるかもしれません。一度ご自分でチャートを開きダイバージェンス、リバーサルを探して検証してみるといいでしょう。

レンジ相場では機能しない

サポートやレジスタンスがしっかりと機能しているレンジ相場(Box相場)では機能しないので万能ではありません。

売買サインの確定を待つべし

これはMACDに限った話ではないですが、インジケーターが出す売買サインを使ってエントリーや利益確定するときに、売買サインが確定してからアクションを起こすのか、それとも”そうなりそうだ”と思って見込みでアクションを起こすのか迷うことがあると思います。

例えば日足チャートを使ってエントリーを待ってるとします。この場合サインの確定は時間が翌日にシフトした時です。一日の始まりの起点は必ずしも日本時間の午前0時ではありません。FX会社で異なります。

XM Tradingの場合、一日の起点は日本時間の朝7時です。つまり日足が確定するのは朝7時ですので前日の夜10時にゴールデンクロスに見えていたMACDも朝になってみるとまだ確定していなかった、それどころか値動きが逆に触れて崩れていた、とうこともあるかもしれません。

これが週足になると現在のローソク足が確定するのに最大で1週間、営業日計算でも5日間あります。その間に相場がどう動くがわかりません。

一方で1時間足ではどうでしょうか?そのローソク足が確定するのに1時間未満です。これはきっと待てますよね?ただし日足チャートよりは信頼度は落ちます。

人によってスタイルはそれぞれだと思いますが、オシレーター初心者であればまずは売買サインの確定を待つスタイルで取引を始めることをお勧めします。そうすることで無駄なエントリーを防ぐことができますし、待つことの重要性も覚えることができます。

その中でご自分の取引ルールを少しずつ固めては修正しを繰り返していくのが地道ではありますが相場で長く生き残れる秘訣のひとつになると思います。


■記事のMT5とデータはXM Trading社のものを使用しています↓

■口座開設の方法はこちらの記事を参照ください → XM Tradingの口座開設方法