投資本で迷ったら

2020-08-11

世の中には多くの投資本があります。私も多くの書籍を読みましたが良書にたどり着くのは難しく、多くの方が投資本の選択で迷った経験があると思います。

そんな中でもこれはぜひ紹介したいと思える、私自身に大変役に立った本を今日は3つ紹介します。この3つの本を理解すれば、どんな姿勢で相場に取り組めばいいのか、またトレードは手法よりも考え方と姿勢であることがよくわかると思います。みなさんの書籍選びの参考になれば幸いです。

デイトレード ~マーケットで勝ち続けるための発想術~

デイトレード ~マーケットで勝ち続けるための方法~ 
オリバー・ベレス (著), グレッグ・カプラ  (著), 林康史 (翻訳)
出版社: 日経BP; 1版 (2002/10/21)
EnglishTools and Tactics for the Master Day Trader (Battle-Tested Techniques for Day, Swing, and Position Traders – 2000/6/29)

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「損切りは負けではなく勝ちなのである」の言葉がとても深く突き刺さった記憶があります。この言葉は今でも私にとって金言の一つです。

損失だけがトレーダーがコントロールできるものであり、いかに損失をコントロールできるかが投資の成功の鍵を握っていることを何度も叩き込まれます。 とにかく損切りの大切さについて何度も何度も言及します。

バンドワゴン効果について書かれた章では相場の本質が理解できます。多くの人が買っている上昇相場になぜついていってはいけないのか、バンドワゴンの具体的な描写でその本質がよくわかります。

他にもポジション管理、規律などいろいろな側面から書かれており、トレーダーの必読書の一つだと思います。

確率論的思考 ~ 金融市場のプロが教える最後に勝つための哲学 ~

確率論的思考
田渕直也 (著)
出版社: 日本実業出版社 (2009/9/20)

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世の中は不確実性であふれている。相場の動きはランダムウォークで次の値動きは誰にも想像できない。だから少しでも勝つ確率の高いところでエントリーしなければならない。

勝率の高いエントリーポイントをさぐるためにはテクニカルが必要であるがそれでも不確実性を排除できないのが相場であることをこの本により再認識します。自分にとって優位性の高いポイントでエントリーすることで勝つ確率を上げる意識があがります。

本書ではワールドカップで最強のチームが勝てない理由や、織田信長、徳川家康の「勝てる戦しかしない」方法や、三国志から劉邦が項羽に勝てたのは「多様性を確保した」からであることなど歴史上の人物や出来事から現在の日本の会社組織に言えることまで言及しており、とてもわかりやすく不確実性を解説しています。

読み物としても大変面白い良書だと思います。

ゾーン ~「勝つ」相場心理学入門~

ゾーン ~「勝つ」相場心理学入門~
マーク・ダグラス (Mark Douglas) (著), 世良 敬明 (翻訳)
出版社:パンローリング株式会社; 第1版 (2002/3/13)
English: Trading in the zone (Master the Market with Confidence, Discipline, and a Winning Attitude – 2000/4/1)

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この本は私のバイブルのようなものです。お勧め度ナンバーワンです。ただし初心者の方には少し難しいかもしれません。損切りできなくて大損失を被ったとか、激しいドローダウンを経験したとか、どこまでも勝ち進める時期があったとか、相場で経験するであろう多くの酸いも甘いも経験した人が読むと様々な過去の経験の裏側で起きていた心理がわかり腑に落ちていく、そんな書籍です。

この本は気づきが多く、どこも印象深いのですが特に刺さったのは「リスクを取ることとリスクを許容することは違う」という趣旨の部分です。この本を読んで以来エントリーの前には「リスクを許容しているか?」自問自答しています。

この本では「一貫性して成功するトレーダーの思考法を習得する」ことが第一歩でトレードで成功するための最終目標は「一貫性を持ったトレーダーになる」ことであると説いています。そして「トレードは確率である」と言い切ります。「トレードに適した確率的心構え」について次のように述べています。

1:何事も起こり得る。
2:利益を出すためには次に何が起こるか知る必要はない。
3:優位性を明確にする一定の可変要素には、勝ち負けがランダムに分布する。
4:優位性があるとは、あることが起きる可能性がもう一つの可能性よりも比較的高いことを示しているに過ぎない。
5:マーケットのどの瞬間も唯一のものである。

(※本書第7章 トレーダーの優位性 209-208ページから引用)

そして一貫性については「一貫性の七つの原理」として以下の信念を持つことを説いています。

1:私は自分の優位性を客観的に確認している。
2:私はすべてのトレードでリスクを前もって決めている。
3:私は完璧にリスクを受け入れている。あるいはトレードを見切ることをいとわない。
4:私は疑念も躊躇もなく自分の優位性に従う。
5:私はマーケットが可能にしてくれた勝ちトレードから利益をつかみ取る。
6:私はミスを犯すことへの自分の対応を継続的に監視している。
7:私はこうした一貫した成功への原理の絶対的必要性を理解している。したがってけっしてそれを破らない。

(本書第11章 トレーダー的思考法 302-303ページから引用)

大変多くの気づきがある良書だと思います。

Kindle/Audibleがおすすめ

Kindleの利点・難点

今や多くの人が利用していると思われるキンドルですが、意外と知られてないのがスマホ、タブレット、PC、MACでも利用できるということ。

以前は専用端末しか使えなかったのですがスマホやタブレットが使えるようになってからは大変重宝しています。今では4台の端末と同期させています。

特にお勧めしたいのがマイノート機能。読んでる時に気になるところをドラッグしてマーカーを付けた場合、マイノート(しおり機能・ブックマーク機能みたいなもの)で一覧できます。少し待ち時間があるときなどに気になる本のマイノートを表示して、再読したいものを見つけて読んだりしています。

一方難点としてはスマホからはブルーライトが出ること。専用端末であればそこは問題ないのですが専用端末はわざわざ持ち歩いたりしませんし、購入しなければならないのに抵抗のある人も多いかと思います。

スマホで夜間モードみたいなのがありますが結局はブルーライトが出てますし、寝る直前まで読むのにはちょっと抵抗があるところが難点です。ですので枕元にはブルーライトの出ない専用端末を置いています。

Audibleの利点・難点

最近私はオーディオブックを利用しています。比較の結果Audibleを使っています。大変便利です。毎日ウオーキングをしていますがその間ほとんどオーディブルを聴いています。特に気に入った本は何度も聞き流します。繰り返し聞くことで潜在意識に自然に刷り込まれる効果もあります。私自身はその効果を相当感じており、トレードの成績向上に相当役に立ちました。

ただウオーキング中に聞くときは気を付けてくださいね。周りの音が聞こえなくなるのは怖いですから。私はウオーキング中は音量を小さめにして片耳だけで聴いています。

難点としてはまだオーディオブックが黎明期なこともあるためか機能が今一つです。ブックマーク機能もあるにはあるのですが自分でタイトルやメモを入れないと、後で飛びたい場所がわからないということが多々あります。特にウオーキング中などブックマークは簡単にできるのですがメモ入力が面倒です。

それと章の構成がオリジナルと異なります。例えば原書が第3章だとしてもオーディブル上では区切りが多く第27章みたいになっていることです。この辺りも今後いろいろと改善されてくるのだと思います。